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「ッて!」 足の親指にズキンと痛みが走り、つい大きな声が出た。 すぐに上履きを脱いで、その中を覗き見ると、画鋲が一つ入っている。 「ケイ、どうした?」 俺の声にシンが反応して寄って来た。 「うわ!画鋲じゃんか!」 「シン!」 「な…ふがっ」 上履きを覗き込んだシンの大きな声を、慌てて手で塞ぐ。 朝の登校時間。たくさんの生徒たちが出入りしている玄関口の下駄箱スペース。 ここで目立つと、きっと、ややこしいことになる。 「騒ぐな。いいな?」 首を傾げながらも、コクコクと頭を縦に振ったシン。 俺は、そっと手を離した。 そして、もう一度、上履きの中を確認する。シンも一緒に覗き込む。 ・
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