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あと15分程で練習も終わる。俺としては、それだけでも日陰に入れてラッキーだ。 「すみませ~ん」 伺うように救護スペースに一人の生徒がやってきた。声の主を見れば、古賀君だった。 「あ…古賀君」 「え?」 「…ん?あれ?」 よく見ると、古賀君とは髪型が違う。古賀君は長めの髪だが彼は短めだ。 ハチマキの色も青で、古賀君は倉橋さんと同じ赤組だったはずだから、このハチマキの色じゃない。 「…弟君の方か」 「なーんだ!ケイと間違えたのか」 「すまない。そっくりだったから」 「慣れっこっすから、大丈夫っす」 そう言って、ニカッと白い歯を見せて、彼は笑った。 落ち着いた感じの兄と比べて、弟の方が表情や仕草が朗らかだ。 ・
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