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「な、何で?」 周りの目を気にして、俺は小声で彼に聞き返す。さすがに動揺が隠せず、どもってしまった。 「俺達の兄貴と先生、知り合いだから」 「兄貴?そりゃ、もちろん恵太郎君とは…」 「違う」 「違うって…」 「俺達にはもう一人兄貴がいるんだ。良太郎だよ」 「良太郎!?」 「うん」 ビックリして、呆然とする。 「良太郎って、あの古賀良太郎か?」 「そうだよ」 額に手をあてて、冷静になろうと大きく深呼吸する。 古賀良太郎… 俺の高校時代の同級生だ。空手部で、ともに汗を流して過ごした仲間。 良(リヨウ)から、確かに歳の離れた年子の弟がいるって… でも、こいつら双子だったんじゃ… ・
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