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「ああ…ごめん。練習すっか」
「フフフ…変なの」
俺の気も知らないで、屈託なく笑うコハル。
もう…俺、限界かもな…
ムクムクと膨れ上がりそうな欲望を無理やり奥へ押し込めて、キーボードへと意識を向けた。
いつからだろう。コハルを女として意識したのは。
産まれた直後から、同じ病院で産まれたコハルの隣に寝かされた。だから、俺が人生で初めて出会った女の子はコハルだ。
いつも傍にいるのが当たり前で育ってきた。それは…シンにとっても同じ。
コハルと仲の良いシン。喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもので…普段おっとりしているコハルが、シンとは下らないことを平気で言い合って。
よくコハルは泣かされていたけれど、結局、二人はすぐ仲直りして遊んでいた。
俺は、そんな二人の姿が凄く羨ましかった。
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