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チャイムが鳴った。漸く体育祭の全体練習が終了だ。 体育教師が全体の総括をし、号令をかけて、解散となった。 「良に何か伝言する?」 目をクリクリさせて聞いてきた慎太郎。 「…お前、兄貴よりイケメンだね」 「ハハハ!あんがと!それ、伝言しとくよ!」 彼が大きな笑い声を上げると、周りの女子生徒が注目している。 この愛らしい表情が女の子を夢中にさせているんだろうなぁ… 「足、大丈夫か?」 「はい。だいじょぶ。サッカーやってっから、こんぐらいは何てことないっす」 「そうか。良に、今度呑もうって言っといて」 「それも伝言っすね」 「うん。よろしく」 「じゃ…」 手を振って俺に別れを言おうをした慎太郎の体がピタッと止まる。 そして、大きな音がガシャーンと響く。 ・
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