219人が本棚に入れています
本棚に追加
チャイムが鳴った。漸く体育祭の全体練習が終了だ。
体育教師が全体の総括をし、号令をかけて、解散となった。
「良に何か伝言する?」
目をクリクリさせて聞いてきた慎太郎。
「…お前、兄貴よりイケメンだね」
「ハハハ!あんがと!それ、伝言しとくよ!」
彼が大きな笑い声を上げると、周りの女子生徒が注目している。
この愛らしい表情が女の子を夢中にさせているんだろうなぁ…
「足、大丈夫か?」
「はい。だいじょぶ。サッカーやってっから、こんぐらいは何てことないっす」
「そうか。良に、今度呑もうって言っといて」
「それも伝言っすね」
「うん。よろしく」
「じゃ…」
手を振って俺に別れを言おうをした慎太郎の体がピタッと止まる。
そして、大きな音がガシャーンと響く。
・
最初のコメントを投稿しよう!