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「慎太郎君、恵太郎君の身内だから、君も救急車に乗っていってくれ。
あと、ご家族にも連絡してくれるかい?」
「わかりました。あと…先生…」
慎太郎が目配せして、俺の耳元に口を近づけて、囁いた。
「俺、犯人がわかった」
「え?」
「そいつが今、わかった。まだ振り向いちゃダメだよ。
渡り廊下の入口に立っている手首に水色の水玉のシュシュをつけてる、メガネの女の子」
「何で…」
「脚立が倒れる時に、一瞬だけ見えたんだ。あのシュシュが。間違いない」
「……わかった」
体育の先生にその場をお願いする。その時も敢えて渡り廊下の方を見ないように気を付ける。
そして、ようやくそちらへ視線を向けると、一人の女の子と目があった。
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