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「何、どうしたの?慌てて…」 「こっちに走ってきた女子を見なかったか?」 「え?ああ…さっき、校舎裏の方へ」 「その子が差出人だ!!」 「ええッ!?」 俺がまた走り出すと、サユもすぐに脱兎のごとく駆け出し、俺についてくる。 「恵太郎が倉橋を庇って、大けがを負った」 「そんな…!」 「だから、絶対に見つけてくれ!サユ!お前はそっちへ!俺はこっちから捜す!」 「わかった!!」 二手に分かれ、彼女を追う。 人気のない裏門まで来て周りを見回すと、どこからかすすり泣く声が聞こえる。 そっと声のする方へ近づいてゆくと、木の影に隠れ、座り込んでいる一人の生徒。 サユも反対側からやってきて、近づいて来る。 「君が差出人か…?」 俺の問いかけに、彼女がゆっくり顔を上げる。そして、サユが悲しそうな顔をして、呟いた。 「あなただったの……中田さん…」 ・
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