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ここまで、どうやって来たのか解らない。
ただ、ケイから離れたくなくて。
頭が血だらけのケイの姿に衝撃を受けて。
『コハル…大丈夫だよ…』
全然、大丈夫じゃないよ。
怖いよ。怖い。
ケイを失うことが、死ぬほど怖い。
産まれた時から今日まで、貴方がいなかった日は無い。
病院に着いた途端、ストレッチャーでケイはどこかへ連れて行かれてしまった。
泣き叫んで抵抗するあたしを、一緒に来た付き添いの体育の先生とシンとで止められた。
ケイの姿が見えないだけで、こんなにも不安で。
どうしよう。どうしよう…!
ずっと不安で、体の震えも、涙も、全然止まらない。
「コハル…」
シンがあたしの名前を心配そうに呼ぶ。
でも、あたしのすべては、ケイに奪われたままで。
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