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「慎!コハちゃん!」
リカコちゃんとお母さんが小走りで、あたし達の元にやってくる。
「ケイは!?」
「今、まだ検査中でして…」
体育の先生が、リカコちゃんに今までの経緯を説明し始めた。
あたしはぼんやりとそのやり取りを見上げるだけ。
「コハル?」
お母さんがあたしの手を握る。すると、また次から次に涙が溢れ出す。
「あたしのせいで!」
「違う!お前のせいじゃない。脚立を倒した奴が悪いんだ」
「でも…!でも、あたしを庇ったから…!」
顔を覆って、あたしが俯くと、そっと優しく私を抱くお母さん。
「恵ちゃんは大丈夫よ。きっと、大丈夫」
「おか…さ…」
お母さんの背中に手を回し、しがみ付く。
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