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「…ありがとうございます」
あたしが看護婦さんに小さな声でお礼を言うと、にっこりと微笑み返してくれた。そして、あたし達は一番奥の個室の病室に案内された。
「恵太郎君の目が覚めたら、呼んでくださいね」
優しい看護婦さんが出ていくと同時に、リカコちゃんが入ってくる。
「どうだった?」
早速、お母さんが尋ねる。
「額を7針縫っただけで、脳みそは異常なしだってさ!」
「他には…」
「脳震盪を起こしただけだったみたい。後は肩や足の打撲のみ!全治1週間!
いやぁ…やっぱ、うちのバカ息子は丈夫だけが取り柄だわ」
あたしは、その言葉にハーーッと大きく息を吐き、フラフラと床にしゃがみ込んだ。
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