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「うわ!コハル!」
シンが慌ててあたしを抱え、椅子に座らせる。
「よかった…ッ…よかったよぉ…ヒック…フグッ…」
「…まだ泣くのかよ」
やれやれといった感じで、シンが呆れ顔。
だって、仕方がないじゃない。
真っ青な顔で、頭からあんなに血を流して…ケイが死んじゃうかもって思ったんだもん。
今だって、あの姿を思い出すと身震いする。
本当に、本当に、たいしたことなくて良かった。
安堵の涙を手で拭う。
「今日も目が覚めたら、もう自宅へ帰っていいって」
「そうですか。それじゃあ、私は学校の方へ報告してきます」
「ああ!先生、すみません。お願いいたします」
リカコちゃんが頭を下げると、先生は軽く会釈して病室を出て行った。
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