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眠っているケイをジッと見つめる。
事故の瞬間、何が起きたのか解らなくて…やっと状況を理解したのは、起き上がった後だった。
あたしを庇って、こんな7針も縫っちゃって…傷跡残るかな…
落ち着いてきたら、段々と冷静に冴えてくる頭の中。
あの時、ケイのことしか見えてなくて、取り乱してて…
「あたしが…ケイの幼馴染って、わかっちゃったかなぁ…」
自分の言動を思い起こせば、皆の前で、ただ繰り返し繰り返しケイの名前を呼んでいただけだ。
「ん~…わかっても、大丈夫だと思うけどな」
「何で…?」
「う~ん。お前のあの姿みれば、皆、文句言わないと思うぜ?」
「あの姿?」
「ああ…お前、夢中だったからな。多分、解ってないと思う」
シンは顎に手を当て、ウンウンと一人で納得して頷いている。
解ってないって、何をだろう?
あたし、何かしたっけ?
シンの言葉に首を傾げる。
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