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そんなに泣かなくてもいいのに。
必死なコハルが可愛くて、フッと笑って、彼女の頬をプニッと摘む。
「コハル…大丈夫だから…」
そして、頭をポンポンと叩く。
俺がこうやれば、コハルのご機嫌は治るんだ。
ああ…でも、さすがに痛いなぁ…
「ケイ!!ケイ!!」
俺の手を握り、懸命に俺の名を呼ぶコハル。
コハルは、ケガしてなさそうだな…良かった。
傷一つ見当たらないコハルを見て安心したら、フッと力が抜けた。視界もどんどん暗くなってゆく。
身体に痛みはあるけど、俺は大丈夫。
だから、コハル。そんなに泣くなよ。
コハルが傷つけられると、俺はもっと痛いんだ。あんな思いはこりごりだから。
なあ…コハル。
俺は、今度こそお前を守れたかな?
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