09 #2

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「あたしも…」 小さな声で、もう一度、溢れる想いを口にしようとした時、ケイの顔がゆっくり近づいてくる。 ぼんやりと見つめ続けていると 「目、瞑って…」 甘い声で囁かれて、言われるまま、ゆっくりと瞼を閉じた。 そして…… 唇に初めての感触。 それを自覚した途端、肩に力が入り、ギュッと瞼を瞑る。 一瞬なのに、時間が止まる。 唇の感触が元に戻ってゆくと同時に、瞼に感じていたケイの気配が遠のいて。 恐る恐る目を開けると、ふぁっとため息が出て、力が抜ける。 「コハル」 目の前には、ケイの端正な顔。 今まで何度も名前を呼ばれていたのに、今までとは違う感覚。 甘い甘い余韻。 夢を見ているみたいにフワフワして。 ケイの感触が残る自分の唇を、両手隠す。 ・
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