09 #2

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「俺の前でイチャつくの禁止!ケイのベタな場面とか鳥肌!」 「あ!レッスン室でも禁止よ!神聖な私の職場なんだからね!」 ちょっと、どんだけ妄想してるの。 「フフフ…皆、二人を心配してたのよ。よかったね」 「お母さん…」 優しく微笑むお母さんの言葉が、皆の気持ちを代弁している。 「ありがとう」 素直にその言葉が出てきた。 いつケイに恋したのかさえ解らない程、長い間、片思いしていて。 辛い時も支えてくれたのは、ここにいる皆で。 きっと、あたし達の初めての恋を、やきもきしながらも、暖かく見守ってくれていたんだろう。 イチャつくのは禁止って言われたけど、嬉しい気持ちを隠せなくて、ケイの手をぎゅっと握った。 満面の笑みでケイを見上げると、ケイも嬉しそうに笑っていた。 「あ!そうだ!あんた達、帰ったら、私に伴奏聞かせなさいよ!」 「「うげ…」」 リカコちゃんの空気を読まない発言で、二人同時に仲良く渋い顔になったけど、ね。 ・
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