226人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺の前でイチャつくの禁止!ケイのベタな場面とか鳥肌!」
「あ!レッスン室でも禁止よ!神聖な私の職場なんだからね!」
ちょっと、どんだけ妄想してるの。
「フフフ…皆、二人を心配してたのよ。よかったね」
「お母さん…」
優しく微笑むお母さんの言葉が、皆の気持ちを代弁している。
「ありがとう」
素直にその言葉が出てきた。
いつケイに恋したのかさえ解らない程、長い間、片思いしていて。
辛い時も支えてくれたのは、ここにいる皆で。
きっと、あたし達の初めての恋を、やきもきしながらも、暖かく見守ってくれていたんだろう。
イチャつくのは禁止って言われたけど、嬉しい気持ちを隠せなくて、ケイの手をぎゅっと握った。
満面の笑みでケイを見上げると、ケイも嬉しそうに笑っていた。
「あ!そうだ!あんた達、帰ったら、私に伴奏聞かせなさいよ!」
「「うげ…」」
リカコちゃんの空気を読まない発言で、二人同時に仲良く渋い顔になったけど、ね。
・
最初のコメントを投稿しよう!