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「……正直に話してくれない?」
俯いて、全く表情を見せてくれない彼女に、なるべく穏やかに話しかける。
「………」
ずっと黙ったままの中田さん。
何も話してくれていないから、彼女が古賀君や倉橋さんへの手紙の差出人かどうかは、まだわからない。
しかし、彼女が倉橋さんに故意に危害を加えようとしたのは確かだ。
セツが『君が脚立を倒したんだね?』と尋ねたら、彼女は無言で頷いたから。
そして、人目につかないように、彼女を音楽室まで連れてきた。
今、学校の中で、ここが一番人気のない離れた場所だったからだ。
音楽室へと入ろうとした時、ちょうど救急車が到着して、運ばれてゆく古賀君と倉橋さんが上から見えた。
中田さんも立ち止まって、ジッとその様子を見ていた。
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