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「だから、コハルも…二の足ばかり踏むなよ。
何もしないで後悔するより、思いっきりやろうぜ。何かあれば、俺達もいるし、頑張るからさ!」
シンの言葉が、じわじわ胸の中に染み込んでゆく。
あたしは、びくびく怯えてばかりで、不安ばかりを蓄積させて。
ひたすら行動を起こさず、自分を守ってばかりで。
ケイとシンが、そんなあたしのことを思って、うちの高校に入学までしてくれたなんて…
「世の中やったもん勝ちだぜ。リカコみたいにさ!」
「いらんこと言うな!」
「って!叩くなよ。リカコ」
「呼び捨てすんな!」
「まあまあ、理香子ちゃん」
苦笑しながら、お母さんがシンとリカコちゃんを宥める。
いつもの光景にホッと気持ちが和んでゆく。
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