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「中田さんも……友達なら正直に言えば良かったの。
伴奏はしたくないって。石野さんと一緒に歌いたいって。
そしたら、彼女、きっとまた嬉しそうに笑ったと、先生は思うな」
「先生…ごめんなさい!」
私が笑いかけると、中田さんはワッと泣き出して、机に顔を伏せた。
「中田さん…謝るべき人に、きちんと謝りに行こう。僕たちも一緒に行くから」
「……はい」
セツが優しく話しかけると、彼女は素直に返事をした。
中学、高校と多感な思春期。まだまだ発展途上の生徒達。
大人と呼ぶには幼くて。子供と呼ぶには大きくて。
身体が成長していたとしても、心の成長はそこまで伴わない。
まさか、良かれと思った作戦が、裏目に出て、こんなことになるなんて。
今回の件は、校歌の伴奏を提案した自分に、責任の一端がある。
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