09 #2

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その時 「…んッ……」 ゴソゴソとベットの中で動く気配がして、慌てて身を乗り出す。 「ケイ!」 「う、ん…?……コハ…ル?」 「ケイぃぃ…」 ゆっくり瞼を開けたケイに、安堵の溜息が出る。 今日は涙が決壊状態。でも、今は嬉し涙だから、構わない。 「バカ息子!心配かけんじゃないわよ。ったく!」 「あ?…リカコ?」 「ハアー…どいつもこいつも…親を呼び捨てするな!」 まだぼんやりとしているケイは、今の状況が飲み込めていないようだ。 「恵ちゃん、学校で意識を失って、救急車で運ばれたのよ」 「学校……ああ、そっか」 お母さんが簡単に説明すると、ケイは額に手を当てて、思い出したように呟いた。 「コハル、怪我は?」 何で、自分の事よりあたしの心配してるんだよ。自分の方が大変だったのに。 ・
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