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幼馴染の立場とか、学年の差とか、そんなちっぽけなことに拘って…
あたしはケイ自身を失うという、本当の恐ろしさをわかっていなかった。
あの時、その怖さを痛感した。
もし、あの時、ケイが死んでいたら、あたしは死ぬほど後悔した。
どれだけケイがあたしにとって大事な存在なのか…
一番解ってほしいケイに、自分の気持ちを伝えていなかったことを。
「ケイが生きてて、よかった…」
「ホントに大袈裟だなぁ…」
あたしの頬を触ろうと、伸びてきたケイの手を、そっと握る。
手の平から伝わる熱。ケイが傍にいる尊さ。愛おしさ。
そのことが身に染みてわかったから…
だから、何もしないで後悔するより、思い切って。
大切なことは、言葉にしないと伝わらない。
ケイにそっくりな二人の天使が、弱虫だったあたしの背中を押す。
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