09 #2

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真っ直ぐに伝えよう。 「あたし……ケイがいないと、ダメなの。 産まれた時から一緒なんだもん。ケイがいない世界なんて、考えられない…」 あたしの心が、大切なあなたへと届きますように。 「ケイが好き…!」 きっと、産まれた時から、あたしの隣にいるあなたが一番だった。 「ずっと、ずっと、ケイが好きだった!」 「コハルッ…!」 ケイがあたしの腕を勢いよく引き寄せ、力強く抱き締めた。彼のぬくもりを肌で感じ、あたしは満たされてゆく。 「だから…お願い。あたしの傍からいなくならないで…!」 彼の背中に腕を回して、自分からぎゅっと抱きついた。 「……絶対にいなくならない。ずっと一緒だ」 「ケイ…!」 ケイの腕の力が強くなり、苦しくなるくらいケイの中に埋もれる。 でも、それはあたしにとって、一番の場所。 ・
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