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11 #2
「だから、どうにか自分自身を納得させるために、自分の誕生日はコハルと同じ4月1日なんだって、勝手に決めた」
「……」
真面目にそう断言したケイ。
決めたって……無理やり、だよねぇ。
ビックリしたのと呆れたのと。でも、なんだか可愛くて。
「プッ!……アハハハハハ!」
あたしはお腹を抱えて笑い出した。
1日差…ううん。たった2時間半のことに、二人でずっと悩んでて。
それも、あたしよりもケイの方がこんなにも拘ってて。
つい笑っちゃうほど可笑しいけど、胸がきゅーって嬉しい悲鳴を上げている。
だって、それは、それだけ、あたしのことを大切に想っていてくれていた証。
もう一度、ケイの腰に手を回して、ぎゅーって抱きしめる。
なんて、健気に、あたしを求めてくれていたんだろう。嬉しくて、とっても嬉しくて。
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