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静かな廊下で、真っ直ぐに向かい合う二人。 誰かに見られても不思議じゃない学校という環境の中なのに、セツの凛とした姿に見惚れ、もうセツの声しか私の耳に届かない。 「俺は今、お前の教師としての姿しか知らないから…俺の知らないサユを、もっと、もっと知りたい。 だから、俺と付き合ってほしい」 あの頃、どれだけ、この言葉を待ち望んでいただろう。 私もセツと同じで、幼馴染という立場に甘えていた。 だから、自分の気持ちを伝えなかったまま、時は過ぎて… 私の心を大きく揺さぶるセツの言葉。 「…セ…ッツ!」 耐えきれず、涙が頬を伝い落ちる。 それは、過去の自分を慰めているのではなく、今の自分が嬉しさを感じて、零れ落ちた歓びの涙。 ・
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