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「んーーーっ!!」
突然のことにドギマギして、あたしはケイの腕の中でジタバタ。
更にキスを深めようとするケイに、胸をパシパシ叩いて、解放をアピール。
すると、ケイが力を緩めて、名残惜しそうに唇を離した。
その瞬間、プハッと息を吐く。驚きのあまり、息を止めていたみたい。
「何?」
ケイは眉間に皺を寄せ、ご機嫌ナナメ。
「何って!だ、ダメだよ!辻先生に言われたでしょ」
「…見てないからいーじゃん」
「いやいやいや!あの、えっと、ピアノ!練習しよ?練習」
「…さっきまで嫌がってたくせに」
「だ、だってぇ…」
幼馴染から一歩踏み出して、まだ1日目。
まだまだ慣れない、新たな二人の関係。
「ごめん。なんだか恥ずかしくって…」
真っ赤な顔を手で覆い隠し、指の隙間から上目使いでケイを窺う。
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