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「仕方ねーな。わかったよ。ま、少しずつだな」
「少しずつ…?」
「そ。幼馴染から恋人になる練習」
幼馴染から恋人へ。
擽ったい響きに、嬉しさと同時に戸惑いも。
今まで、ずっと願っていたのに、いざとなると、今までとは違う二人の関係に怖じ気づきそうで。
「…そんな練習までしないといけないの?」
「そうだよ。これでも我慢してるの!俺、お盛んなお年頃だし?」
「お盛んって!」
暗に含まれる言葉を想像して、あたふた。
「だって…」
ケイがふわりと優しくあたしを抱きしめる。とても大事そうに。
「やっと、コハルが俺だけのコハルになったんだから」
耳元で甘い囁き。
胸をきゅんとさせる言葉に、あたしの心は絆される。
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