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ピピピピッ
ピピピピッ…
ゆっくりと浮き上がってくる意識、
クリアになる音、
今なにに包まれているかの感覚まで鮮明になる。
「んーーー…」
小さく唸りながら、もぞもぞ動く。
そういえばごみの日じゃん、今日…。
動かなければならないことを感じながら、目覚ましに向かって手を伸ばそうとする。
ピッ
私のじゃない手が、ぱしっと目覚ましの音をとめた。
「もー…。うるさい…」
「ちょっ、亮! 寝ちゃだめーーーっ!」
またもぞっと布団にもぐりこむ彼を慌てて止める。
もうすっかり目が覚めた私
ーーーーこと、笹川和紗(ささがわかずさ)
まどろむ彼氏
ーーーーこと、長岡亮太(ながおかりょうた)
「かず、おはよ‥」
へらっと笑いながら、きゅっと私の腰に手を回す姿に、
きゅ~
となる、単純な、私。
ぱふっ
「やわらか‥」
「ばか、起きるよっ!」
「やだ。もうちょっと、こうしてる」
もうちょっとって、どんくらいよ?
うずめていた顔をあげ、近づいてきた顔。
奪われる唇。
「‥っ」
そのまま、キスされて、気づいたら見上げるかたちになっている私。
「‥かず」
そんな風に呼ばれると、
また顔が熱いまま、
…身を任せるしか、ないっていうか。
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