252人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーーー結局、ごみは出せなかった。
キラキラした日光がカーテンの隙間から入ってくる。
ベッドから降りて、ぴっとテレビをつけると、もうとっくにいつも見てるニュースはおわっていて。
朝の占いみて、洗濯機まわして干して、朝ごはんはフレンチトーストにするという私の今日の予定が…
きっと後ろを振り向き、原因となった人物を睨む。
「もう、亮のばか」
「いーじゃん。だって、かずが柔らかくてあったかいんだもん。
あ、今日3コマからだよね? 昼どーする?」
「お昼作ってあるから、てきとーに食べてていいよ。
私、学校でレポートやるから」
「え、ここでやればいいじゃ」
「あんたと一緒じゃできないのよっ」
言い合いながら洋服をタンスから出して、洗面所に向かう。
「…いい加減ここで着替えたら?」
「いーのっ。亮もはやくきがえてっ。私は気にせず行っちゃうからね」
「…まだ恥ずかしいのー?」
振り返ると、すっごくにやにやした顔でみてくる。
上半身裸の彼。
無駄な肉の一切ない、細身の体。
細いけど、元陸上部でほどよく日に焼けたその感じが、ひ弱なかんじより引き締まった風にみえて、カッコ良くみえてムカつく。
…そうなんだよなぁ。
こんなんだけど、かっこいいんだよなぁ。
「違いますー。顔を洗いにいくついでですーっ」
「あっそ」
付き合って、2年と4か月。
お互い国立大学の3年生。
週に2.3度お互い泊まりにくればもはや半同棲状態。
好きな食べ物から、家族構成から、授業の時間割、好みのタイプまで丸分かり。
喧嘩もたまにはするけど、すぐに仲直りするし、倦怠期もこないし、一緒にいて全然飽きない。
最初のコメントを投稿しよう!