第1章

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「ね、そういえば、また?」 頬杖をついたまま、こっちをちらっとみてくる。 「ん?」 「今回も亮太に言っちゃいけないのー?ってこと」 「あー、うん」 一瞬何のことを言ってるかわからなかったけれど、聞き直して理解できた。 「お願い! だって、亮うるさいんだもん」 「ぷっ。あんたもうるさいって思ってんじゃん」 ーーーアレは2年前。 女の子4人で、おしゃれなダイニングバーに飲みに行ったとき。 私はほとんどお酒は飲まなかったけれど、あんまり強くないみたいでほろよいになってしまって、 私の家で待っていた亮と鉢合わせ。 『かず。酒飲みに行ってたの?』 『うん、そうだよ~! なんかねー、はるなが焼酎くれたの。 ぜんぜん飲めなかったー。美味しくないもん~』 『かず。 ーー酒飲むの禁止』 『ええっ』 「多分亮は女の子がお酒飲むのがキライなんだよー。 ズルいよね? 自分は、飲み屋でバイトまでしてんのに」 「ねー。女だって飲みたいときはあるんだよ!」 「ねー? まぁ私はあんまりお酒飲まないんだけどね。 美味しくないもん」 「おこさま」 今日は、亮はバイトって言ってたから、ごはんどうしようかなぁ。 簡単に、お味噌汁と、とり肉焼いたやつにしようかなぁ。 あ、そうだ。 冷蔵庫におとといつくったマリネがあったはず。 サラダもあるといいなぁ。レタス古くなってないといいけど、 「和紗、夕飯のこと、考えてる?」 ‥…ばれた?
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