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「ね、そういえば、また?」
頬杖をついたまま、こっちをちらっとみてくる。
「ん?」
「今回も亮太に言っちゃいけないのー?ってこと」
「あー、うん」
一瞬何のことを言ってるかわからなかったけれど、聞き直して理解できた。
「お願い!
だって、亮うるさいんだもん」
「ぷっ。あんたもうるさいって思ってんじゃん」
ーーーアレは2年前。
女の子4人で、おしゃれなダイニングバーに飲みに行ったとき。
私はほとんどお酒は飲まなかったけれど、あんまり強くないみたいでほろよいになってしまって、
私の家で待っていた亮と鉢合わせ。
『かず。酒飲みに行ってたの?』
『うん、そうだよ~! なんかねー、はるなが焼酎くれたの。
ぜんぜん飲めなかったー。美味しくないもん~』
『かず。
ーー酒飲むの禁止』
『ええっ』
「多分亮は女の子がお酒飲むのがキライなんだよー。
ズルいよね? 自分は、飲み屋でバイトまでしてんのに」
「ねー。女だって飲みたいときはあるんだよ!」
「ねー? まぁ私はあんまりお酒飲まないんだけどね。
美味しくないもん」
「おこさま」
今日は、亮はバイトって言ってたから、ごはんどうしようかなぁ。
簡単に、お味噌汁と、とり肉焼いたやつにしようかなぁ。
あ、そうだ。
冷蔵庫におとといつくったマリネがあったはず。
サラダもあるといいなぁ。レタス古くなってないといいけど、
「和紗、夕飯のこと、考えてる?」
‥…ばれた?
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