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けれど。
三人の通った軌跡をその子供たちがそろってたどっていく。
それが運命だと感じてしまった安堵は長続きせず、経験のない絶望と喪失に入れ替わった。
そうでなければならなかったこと――
すべてがそんな条件のもとに成り立っているのなら。
優衣はいなくならなければならない。
その条件のさきに得られる何かが存在するとでもいうのか。
そんなものは要らないから。
優衣はいつもわたしの中心にいる。
何も得なくていいから、優衣をわたしから奪わないで。
アリスのように叫べばこの悪夢から醒めるだろうか。
優衣は生きている!
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