夢の後先-one's affair-

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それが始まったのは中学になってからで、もっと厳密にいえば、“あのこと”のせいじゃないかと思っている。 受け入れがたい光景。 そこには偉人が立ち会って、偉人は男で、だから夢に出てくるのは偉人だったのかもしれない。 中学三年生の夏休み、高校受験のないわたしたちは時間というものがたっぷりあった。 勉強を口実にして、それぞれの家を回しながら三人で集う。 ショッピングに出かけることもあった。 一週間に最低三日、曜日まで決めているわけではない。 建て前の勉強は宿題を少しすませるくらいで、お菓子づくりをしたり、その頃に限って嵌まっていたビーズ創作をやったり、あとは専らお喋りだ。
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