生徒会になりました。

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「…どう?少しは落ち着いたか?」 「あ…ぅ…ずびまぜん…」 僕が舞台の上で泣き出してから、副会長さんが誰もいないとこまで連れてきてくれて僕を落ち着かせてくれた。 「いいって気にするな、わかったか?」 「…はい…」 最初は、少しだけ怖かったけど、すごく優しい人だった。 だけどやっぱり、皆の前で泣いちゃったんだなぁ…僕… 「……あ、の…」 「ん、どうした?」 「あ、えっと…ここ、は?」 場所がわからない… 学校の中にこんなところあったんだ… 「あぁ、まだ言ってなかったな。ここは、生徒会準備室みたいな部屋だよ」 「…生徒会…準備室…?」 なにそれ…? 生徒会室じゃないの? 「ん。生徒会室は、この部屋の隣でここは、あれだ。お茶とか作ったり、お菓子とかあるところ」 「……お菓子…」 生徒会のメンバーって、いつもお菓子とか食べてるの? いいなぁ…僕、高校生にもなってあれだけど…甘いものとか大好きだから… 「なんなら、クッキー食べるか?」 「いいのっ?」 「おう、いいよ。好きなんだな、お菓子」 う…ぁ…恥ずかしい… 「…本当にいいんですか…?」 「いいよ。どーせ、バレないし。」 そう言って、副会長さんはクッキーをくれた。 チョコクッキーとシナモンクッキーだった。 「…ん…おいしい…」 「だろ?生徒会自慢のお菓子だよ」 ポンポンと頭を撫でられる。 副会長さんは、本当に優しかった。 それから、集会が終わるまで色々な話を した。 「へぇー、じゃあ琴は特待生で入学したんだ?」 「…ん…あ、でも…他に3人…いるよ…」 もともとたくさん話す方じゃなかったから、先輩とかと話すこともなかったし敬語になれてなかった。 そしたら、副会長さんが敬語じゃなくてもいいよ。って言ってくれた。 「すげーのな。俺、そんな点とったことねーよ」 「…でも…僕の友達…のが、すごい…」 淳くんなんて、 500点取ったことあるもん… 「それでも琴もすげーの。…あ、そろそろ皆戻ってくる頃だな。琴、もう平気?」 「…ん。…さっきは…ごめ…なさい…」 「大丈夫だよ、じゃ行くか」 そう言って僕たちは生徒会室に向かった。
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