第一章

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かつては、何かの神を奉っていたであろう祠を破壊し、寝座としたのはもう何年も昔。 高天原に住まう神々が本気になれば、こんな無礼者など、とうに滅しているだろう。 そもそも、我等が道を外さぬように導くだろう。 それとも、人が生きようが、死のうが、堕ちようが、どうでもよいというか。 勝手に生まれ、勝手に死ねというか。 現世(うつしよ)を創りながら、その後はどうでもいいと言うか。 身勝手な 目の前に在れば、この長く伸びた爪で八つ裂きにすることもできように。 傍らに立て掛けてある刀で斬ることもできように。 憎い にくい ニクイ
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