エニグマ・ミステリー 起

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その、ちょっとした事件が起きたのは、俺が自室で目を覚ましてから数分後。至極丁寧に説明すると、ベッドから起き、床に両足を着け、立ち上がり、前に進もうと足を上げようとした瞬間だった。 「ぬぉっ!」 俺の身体は前につんのめり、勢い良く前方に倒れ込んだ。顔の横をテーブルの角が掠めていったのが分かる。 「あ、あぶねぇ」 俯せのまま、顔を上げ息を吐く。 俺の両足に紐が括り付けてあったのだろうか?いいや、そんなことは無い。 何故なら、犯人はまだ俺のベッドの下にいるからだ。
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