第1章

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 「大丈夫。」 私が言う  「じゃあ、勝手にしろよ!」 あなたが言う 待って違う。 違うのお願い聞いて あなたが走り去る。私に背を向けて。 私が手を伸ばす。あなたは振り向かない振り向いてくれない。 けたたましいブレーキ音が鳴り響く。面白いほど周りがゆっくりだ。 ぐしゃり ああ、また失敗だ。 もう嫌だ。 また繰り返す。 目の前が真っ白になる。 廻る、廻る。 遠くで蝉の鳴き声が聞こえた気がした。そんな二年の夏の終わり。
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