act.1 回想

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アポを取り付けて一週間――何もリアクションが返って来ないことに、やはりと諦めていた時だった。 佐多の秘書を名乗る男から連絡が入ったのだ。 『先生が30分だけお会いになるそうです』 と――。 貴重な30分を勝ち取った私は、どんな些細なことも逃さないつもりで、佐多に挑んだのだった―― ―――――― 「……お前さんの力でもわからないのか、二人の行方は……」 挨拶もそこそこに、佐多はそう切り出した。 「……ええ。私はあなたなら、何らかの手がかりを持っているのではないかと……それでアポを取り付けたんですが……」 「俺にもわからんよ」 佐多が苦笑する。
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