プロローグ

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―――――― 機械的な電子音が鳴り響く――。 ゆっくりと目を開けると、ブラインドの隙間から明かりがこぼれているのが見えた。 仕事場として借りている事務所の部屋の中―― テーブルの上に置いてあるスマホに手を伸ばし、アラームを切る。 ソファーベッドから起き上がり、ため息を吐く。 仮眠を取るだけのつもりが、本格的に寝入ってしまい、いつの間にか朝になっていた。 ――緊張の糸が解けたのだろうか。 どんなに探しても。 彼らの気配を追ってみても。 どこにも手がかりのなかった二人――。 ユウと寒波――。 その二人の痕跡がやっと見えてきたから――。
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