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性悪男はパパを睨み付け
「いえ…ぶつかってないので」
仏頂面でバッグを渡す。
もうぅぅぅぅ~!
何よ~!
その偉そうな態度!
やっぱりタマの一つや二つ、蹴っ飛ばしてやれば良かった!
奴の股間をガン見していると
「風香さんのお父さん…娘さんが俺の股座を狙ってるんですけど…」
人差し指をチョイチョイと、自分の股間に向ける。
「なっ!狙ってないわよ!」
蹴飛ばしてやりたかっただけなのに、変な言い方をされてしまった。
「パパ!違うの!私はただ…」
慌ててパパに誤解を解こうと縋り付くと、視線合わせて優しく微笑んでくれた。
「パパ…」
やっぱりパパ!
ちゃんと解ってくれている!
大好き!
胸の中が恋する乙女みたいにキュンキュンとしたが…
パパはフイッと、また奴の方を向き
「君…風香と大学一緒なのかな?」
どうでも良いのに、奴の素性を聞き始めた。
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