ファーストタイム

12/17
前へ
/176ページ
次へ
性悪男はパパを睨み付け 「いえ…ぶつかってないので」 仏頂面でバッグを渡す。 もうぅぅぅぅ~! 何よ~! その偉そうな態度! やっぱりタマの一つや二つ、蹴っ飛ばしてやれば良かった! 奴の股間をガン見していると 「風香さんのお父さん…娘さんが俺の股座を狙ってるんですけど…」 人差し指をチョイチョイと、自分の股間に向ける。 「なっ!狙ってないわよ!」 蹴飛ばしてやりたかっただけなのに、変な言い方をされてしまった。 「パパ!違うの!私はただ…」 慌ててパパに誤解を解こうと縋り付くと、視線合わせて優しく微笑んでくれた。 「パパ…」 やっぱりパパ! ちゃんと解ってくれている! 大好き! 胸の中が恋する乙女みたいにキュンキュンとしたが… パパはフイッと、また奴の方を向き 「君…風香と大学一緒なのかな?」 どうでも良いのに、奴の素性を聞き始めた。
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加