第2章-レベリング-

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「先に言っておくけど、文字通り臨時のパーティーだ。基本は相互不干渉でいこう。俺はアマネ。職業は剣士系だ」 「了解した。……俺はジン。このパーティーでは遊撃役をやっている。職業は盗賊系だ」 「あたしはエリーゼ。後衛の魔法職よ。ウチの勘違いバカが迷惑かけたわね、アマネ」 「まったく、エリーゼのやつ。ヤキモチか?可愛いやつめ……。 あっ、僕はカイン。美しい女性達の盾となり、剣となる男さ!職業は勇者……って、僕を置いていかないでくれぇ!!」 そんなこんなで臨時パーティーを組む事になった四人は、夜の森へと足を踏み入れるのだった。 ーーー正直、舐めていた。 目の前で戦いを繰り広げるカイン達のパーティーを見て、天音は素直に驚いていた。 前線を支えるのは全身を皮鎧に身に纏い、更に左手に装飾の施された盾を、右手に装飾剣を持つカイン。 彼は危なげなくウルフの牙を盾で防ぎ、時には剣で切り裂き、時には光属性の魔法で牽制したりと、複数体のモンスターを相手に器用に戦闘を展開して行く。 カインが敵の攻撃を凌いでいるウチに、短剣でウルフの急所を的確について行くジン、更にその後ろではエリーゼが魔法を使う為に意識を集中させている。 「出来た!カイン、ジン!」 エリーゼの声を受けて直様その場から離脱する二人。それと同時に、エリーゼは力強く魔法を行使する。 「ファイヤーボール!!」 掲げた杖の先から放たれた火球は生き残っていた2体のウルフを呑み込むと、そのHPを一気に削り切った。 戦闘が終わると、カインは満足そうな顔でアマネの方へと歩み寄って来る。
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