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「あっ、あの!?その、いきなりこんな所に連れて来てしまってごめんね!でも、一応覚悟があったからYesを選んでくれたんだよね?だから、えー、そのぉ」
言葉を濁らせるセルヴィス。天音は彼が何を言わんとするのかを察し、小さく頷く。
「俺は自分の意思でYesを選択した。今の結果に特に不満はないよ。それより、説明をしてくれないか?何が何だかさっぱりだ」
「ありがとう!えっと、これから貴方には『イース』と呼ばれる異世界に行って貰います。で、その世界を危機から救って下さい!」
あまりに突拍子のないその願いに、天音は思わず顔を顰める。一体全体、これなんなのだ。夢でも見ているのか?などと呆れつつも、一応状況の把握を行うためセルヴィスへ問う。
「……一つ目の質問。俺はゲームの招待を受けて此処に来た。なのに異世界に行かなくてはならないのは何故?」
「えっと、そうだねぇ。そもそも『Re:birth world online』っていうゲームは普通のゲームじゃないんだ。とあるゲーム好きの神様が考案した世界救済システムの一種でーーー簡単に言えば、他世界でゲームの参加者を募り、参加者達を救済対象の世界に送って世界を救って貰おうというゲームなのです」
「おい、待て。それってただ有志を募って異世界に送るだけでゲームでも何でも無いだろ?」
「うん、話はまだ続くから安心してよ。
参加者の方々ーーーあっ、以降はプレイヤーと呼ぶね。プレイヤーの皆さんとしても、ただ異世界に送って世界を救って下さいとお願いしても大抵の人は嫌がるわけですよ。まあ、見ず知らずの世界だしね。そりゃあそうなるよね。なので、プレイヤーの方々に少しでも楽しんでもらう為にゲーム的要素を詰め込んだのです。例えば、レベル、スキル、HP制度とか」
成る程、と天音は納得した。つまり、異世界に言って自分の体一つでRPGをやれ、という事だ。しかしここで、当然疑問が浮かぶ。
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