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「仕組みは分かった。ただ、その救済対象の異世界には元々の住民がいるよな?その人達は俺達のようなプレイヤーの存在を不審に思わないのか?」
「救済対象になった世界には常識の改変が行われるんだ。だからプレイヤーの突然の出現を不審に思う事は一切ないよ」
些か都合が良すぎるような気がしたが、セルヴィスの話が本当ならRe:birth world onlineの製作者は神様らしい。それならば、納得出来ない話では無いがーーー。
「質問はもう大丈夫かな?無ければゲームの本格的な説明に入って行くけど」
「……構わない」
天音は面倒になった思考を放棄した。何方にせよ、これから起こる事は自分を退屈させる事は無いだろう。それが分かっただけで充分だった。既に天音の心は期待に満ち溢れていたのだ。
「では、先ずはアバターの設定から行こうか」
ブン、と機械音と共に目の前に空中投影型のディスプレイが現れた。そこには天音と瓜二つの容姿の男性が写っていて、手元のパネルには様々なアバターに関する様々な項目が現れている。
「向こうの世界で使用する貴方のアバターを作って貰うよ。手元のパネルで自由に調整してね。ゲーム開始後、アバター項目の変更は効かないので後悔の無いようにね」
「わかった。ならこのままでいい」
「……え?弄らないの?」
「これからワケのわからない世界に行って、色々しなきゃ行けないんだろ?ただでさえ大変なのに、わざわざ新しい身体で事に挑むなんてデメリットしか存在しないだろ」
「いや、そりゃあ、そうだけど……。あ、せめて髪の色変えたりとかは?それなら、別に支障はーーー」
「別に、いい。それより続きを」
セルヴィスは惚けたものの、天音のポーカーフェイスに僅かながらの喜色が混じっている事に気付き、苦笑いを浮かべる。手元のディスプレイを操作し、次の項目へ移る。
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