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「そこからさらにメニューと念じればメニュー画面に行けるよ。メニューには様々な項目があるんだけど……詳しくはヘルプの項目を参照してね」
「……最後、投げやりじゃないか?」
「この説明、105回目なんだよ……。まったく面倒くさいったらありゃしない。君は物分りが良いから楽だったけど……元の世界に返せって喚く人達も少なくないしね」
色濃い疲労を感じさせるセルヴィスに思わず同情の意を示した天音は苦笑いを浮かべる。とはいえ元々、呼び出したのはセルヴィスなのだから自業自得といえばそれまでであるのだが。
「わかった、あとはヘルプで調べてみるよ」
「本当!?いやー、助かるなぁ。正直、スキルの話とか長引くから面倒なんだよ。やっぱ、実際に試してみるのが一番だと思うんだっ!」
途端にセルヴィスに笑顔が戻り、その切り替えの早さに天音の苦笑いも思わず引き攣ってしまう。すっかりご機嫌なセルヴィスが小さく何かを唱えると同時に、天音の足元に淡い光を帯びた魔法陣が展開された。
「準備はいいかな、月城天音君」
「ああ、何時でも」
不敵な笑みを携えた天音がそう返すと、セルヴィスも楽しそうに微笑み返し、
「Re:birth world online。是非とも楽しんでね!」
そんな彼の言葉と共に、天音の視界は再び白に染まっていった。
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