― 序章 ―

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 始まりは、あまりにも唐突だった。ある日、父の海外出張先に、心配して、『様子を見に行った母』から届いた手紙が発端だった。 『翡翠へ  ごめんね。おとーさん、こっちで『部長』に昇進しちゃって、本格的に転勤になっちゃってー。  ついでだから、おかーさんも、こっちに住むことになったから♪今月一杯で、マンションも引き払うから、翡翠は水晶(ミカゲ)君が理事長やってる学校に転入してね。手続きは、もうしてあるから、よろしくねー。                   おかーさんより かしこ☆』  『ブルブル』と、手紙を持つ手が震え、ついには『ぐしゃっ』と握り潰した。 翡翠 「『かしこ☆』、じゃねーよッ?!何、考えてやがんだ、あんのお気楽女~~~!!」  母に対しての言葉としては、どうかと思わないでもないが、母の『唐突な言動』は、今回が初めてではない。  とは言え。だからと言って、流石に『慣れた』と言うものではない。  しかも、本人も知らぬ間に『転入手続き』って………。しかも、翡翠には『編入試験』受けた記憶などない。 翡翠 (水晶さんのガッコって。確か『全寮制』の『男子校』じゃなかったっけ?)
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