― 序章 ―

3/4
575人が本棚に入れています
本棚に追加
/514ページ
 マンション引き払うなら、『寮完備』の学校と言うのは、ありがたいが、よりによって『男子校』とは……… 翡翠 (『男子校』なんて、ムサい・暑苦しい・華がないで、いいとこなんか一個もないじゃん。まぁ、偏見って言われりゃ、それまでだけどさ。)  母の手紙と共に送られた来た学校のパンフレットを見る。『御影学院 高等部 入学案内』と書いてある……………が。  問題は『そこ』じゃない。今は、四月中旬。つまり、現在『高校一年』である翡翠は、地元の県立高校に入学したばかりだ。  『今月一杯』と言うことは、新しい学院には、五月頭か、若しくはGW明けに編入、と言うことになる。  ―つまり、『時期外れ』もいいとこなのだ―  目立つのは目に見えてるし、自分の『外見』では、変装するしかないが、『全寮制』である以上、四六時中『変装していなければいけない』ではないか。  しかも、翡翠は関東で一、ニを争うチームの幹部であったりする。同じ県内とは言え、そうそうチームのメンバーとは逢えなくなる。それが、ちょっと寂しい。 翡翠 「………もしもし、『ハク』か?総長いるか?代わって?…………あ、総長。実は―――――。」
/514ページ

最初のコメントを投稿しよう!