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薄暗くてぜんぜん見えない。どこかの部屋にひとり閉じ込められてもう二時間は経っただろうか。未だに誰かがくる気配はない。携帯も腕時計も取られたのか、手探りで探した俺が横たわっていたすぐ傍の通学鞄には教科書と筆箱だけが詰められていた。それはいい、ぶっちゃけどうでもいい。問題は他にあった。
「水に入りたい」
俺にとっては死活問題だ。授業中は仕方ないがそれ以外は常に水を感じていたい。早く誰か来い、そして早急に風呂かプールへ連れていけ。
俺、七瀬遙は何者かに誘拐された、みたいだ。
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