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「…真琴」
「なあに?ハル」
ここは真琴の部屋だ。いつも集まるのは遙の家なので今日は真琴の家で遊ぼう、ということになったのだ。そこまではいい。
「なんだ、これ」
怜ではないが理解出来ない、と言いたげな表情で遙は真琴を見上げた。
「ん?ああ、水着だよ」
「女物だが」
「うん?」
見れば分かるよ、と言い真琴は棚の一番上を漁り出す。真琴の背中を見ながらまだ状況が掴めずにいる遙は、女物のピンクのフリフリが沢山ついたビキニに視線を落とした。
真琴の部屋に入って一時間と十分。遙達はゲームをしながら水泳の話をしていたはずだが、その水泳の話がどう変化したのか、気づいた時にはもう、このフリフリビキニを真琴に渡され……そうだ。これを渡してきたのは紛れもなく目の前で背中を向けて何かを漁っているこいつじゃないか。
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