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「それに、私の家にいるよりも、これから行く場所の方が安全よ」
「……え?」
さらりと言い放つパルスに、トワは疑問を感じえない。そんな場所が、こんな行政の中心区にあるとも思えないのだが。
ふと、パルスが一件の建物の前で足を止めた。そして振り返り、トワに色のない視線を送る。
「ここよ」
「――――はあ?」
ただでさえ疑念を感じていたトワの疑いは、ここで最高点に達した。何しろそこは、事務所の立ち並ぶこの区域では珍しい、こぎれいなカフェだった。
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