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その機械へ向けて、パルスは黒い革手袋を外し、親指をかざす。ピピッと小気味のいい音がして、カウンターの奥からなにやら音がする。
カウンター奥――――タンブラーや酒の瓶が並べられた棚が、突然奥へと動いた。それと同時に棚がスライドし、その奥からカフェには不釣り合いな、機械仕掛けの重厚な扉が現れる。
「――――え?」
突然のことに茫然とするトワをよそに、パルスはその扉へと向かって行く。
「お、おい!」
「この奥に、私たちの拠点である場所があるわ。ついてきて」
言うが早いか、パルスはその扉を開くと、足早に奥へと進んでいく。そう言われては、なにもわからないトワとしてはついていくしかない。
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