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「そう硬くならなくていい。ここにいるのは、君を守るためにいる人間だ。警戒しなくても大丈夫さ」
そう言いながら、青年は肩をすくめて見せる。その仕草や言葉の柔らかさは、どこか信用できそうな感覚を植え付ける。
「そうだ。自己紹介がまだだったね。僕は、ミズト。ミズト・スメラギ。下の名前で呼んでくれて構わないよ。一応、ここでは暗殺を阻止するための指揮を執らせてもらっている」
「……ミズト、さん」
アサシンの暗殺行為を止める組織のリーダーなどというから、もっといかつい人間が出てくるのではと思っていたトワには、少々肩透かしだった。が、その表情はどうにもしっかりと顔に出ていたらしい。
「もう少し、強そうな人が出てくると思ったかい?」
「あ、いや……」
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