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「この街を……崩壊から?」
突然スケールの大きくなった話の内容に、トワの困惑はさらに深まっていく。じわりと手のひらにかいた汗は、妙に生ぬるく彼の心を湿らせた。
「そうだ。今のところ、統括企業はあくまで極秘裏に暗殺を行っているにすぎない。しかし、人間は争う生き物だ。このまま密かな殺し合いが続けば、いずれは大規模な戦いになることは必至だ」
「この浮遊都市――――エンパイアは、あくまで一つしかないのですよ。代わりも、何もない。そして、私たち人間は、もう外の世界に戻ることはできないのです。ゆえに、戦争が起きれば、やがては都市としての機能は失われますです」
ミズト、レニの言葉を引き継ぐように。そして、するどく斬り裂くかのように冷たく、パルスが最後に口を開く。
「――――そうすれば、人間は滅ぶわ。いとも簡単にね」
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