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「――――寿命の先延ばし。延命治療にしかならないかもしれないけどね」
腕を組み、皮肉めいた言葉を放つパルスに、ミズトは苦い顔をする。が、一つ咳払いをすると、改めてトワを見た。
「でもこれでわかったろう? 君が狙われる理由も、僕たちが君を保護した理由も。――――君は、その左目で人の死を予見することができる。奴らはそれが邪魔であり、僕たちは君に協力してほしい。どうかな?」
今までになくまっすぐに視線をぶつけてくるミズト。それは言外に、ナイトウィッシュのメンバーになる、ということを意味しているように思えた。しかし、トワはそれに対して強い視線を返す。
――――そんな問い、答えなんて決まってる。自分だって、まだ死にたくはない。
「――――この状況で、選択肢なんてねぇじゃねーかよ……。いいぜ、わかった。あんたたちに協力するよ」
その答えに、しかしそれを半ば予想していたかのように、ミズトは微笑んだ。
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